犬を2匹目として迎えようと考えたとき、多くの方が「多頭飼いは楽しそう」「愛犬に仲間を与えてあげたい」といった希望を持ちます。ですが、実際に「犬 2匹目 後悔」と検索する人がいるように、理想と現実のギャップに戸惑うケースは少なくありません。
多頭飼いの現実は、想像以上に手がかかるものです。犬同士の相性問題に悩まされたり、しつけの難易度アップに直面したりと、1匹のときにはなかったトラブルが起きることもあります。さらに、散歩の大変さや時間と手間の増加、費用負担の拡大など、日常の負担も確実に増えていきます。
また、先住犬のストレスにも注意が必要です。新しく迎えた犬との関係によっては、先住犬が不安や不満を感じるようになり、行動や体調に変化が表れることもあります。加えて、旅行・外出の制限が増えたり、飼い主自身のメンタル負担が積み重なると、「安易な決断の代償だった」と後悔してしまうことにもつながりかねません。
このような問題を避けるためには、2匹目を迎える前に、現実的な視点であらゆる可能性を理解しておくことが大切です。本記事では、犬を2匹目として迎える際に気をつけたいポイントや、多頭飼いで後悔しないための考え方について、具体的に解説していきます。
記事のポイント
- 多頭飼いには理想と異なる現実があること
- 犬同士の相性やしつけが大きな課題になること
- 時間・費用・精神面の負担が予想以上に大きいこと
- 先住犬への配慮と準備が欠かせないこと
犬2匹目で後悔しないために知ること
- 多頭飼いの現実は理想と異なる場合も
- 犬同士の相性問題は避けられないリスク
- しつけの難易度アップに直面するケース
- 飼い主のメンタル負担が増える可能性
- 安易な決断の代償は取り返しがつかない
多頭飼いの現実は理想と異なる場合も

犬を2匹以上飼うことに憧れを持つ方は少なくありません。仲良く寄り添って眠る姿や、楽しそうに一緒に遊ぶ様子を想像すると、ほほえましい気持ちになるものです。しかし、実際の多頭飼い生活は、こうした理想通りに進まないケースも多くあります。
まず知っておきたいのは、犬同士が必ずしも仲良くなるとは限らないということです。性格や相性、生活環境、飼い主の接し方など、さまざまな要素が影響するため、全ての犬が兄弟のように過ごせるとは限りません。理想だけを描いて新しい犬を迎えてしまうと、先住犬がストレスを感じたり、喧嘩が絶えなかったりと、現実とのギャップに戸惑うことになりかねません。
また、多頭飼いには「手間」と「時間」が予想以上にかかります。1匹ずつの食事やトイレの管理、運動の時間、健康チェック、そしてしつけなど、すべての作業が単純に倍になるわけではありません。特に、犬同士の関係が安定していない場合、トラブルの回避にも常に気を配る必要があります。
例えば、2匹が同じ部屋にいてもそれぞれの性格によって行動が異なるため、食事中に取り合いが起きたり、おもちゃを巡って争いになることがあります。こうした小さな摩擦が積み重なると、飼い主にとっても精神的な負担が増えていきます。
このように言うと、多頭飼いを否定しているように感じるかもしれませんが、そうではありません。しっかりと準備と心構えを持ったうえで迎えるのであれば、多頭飼いには大きな喜びもあります。大切なのは、理想だけを見て判断せず、現実的な課題も理解しながら判断することです。
つまり、多頭飼いは「楽しいだけ」では成り立ちません。毎日の積み重ねと、飼い主の配慮があってこそ、犬たちとの良好な関係が築かれていくのです。
犬同士の相性問題は避けられないリスク

犬を2匹以上飼う際、避けて通れない大きな壁が「犬同士の相性」です。人間と同じように、犬にも個性があり、好き嫌いがあるため、必ずしもすべての犬が仲良くなれるとは限りません。
犬同士の相性には、年齢、性格、性別、体格、そしてこれまでの生活環境など、多くの要因が関係しています。例えば、活発な子犬と、落ち着いたシニア犬を組み合わせた場合、子犬のしつこい遊びの誘いがシニア犬にとって大きなストレスになることがあります。逆に、どちらも高いエネルギーを持つ犬同士では、競争心が強くなり、争いが起きやすくなることもあります。
また、相性が悪いからといってすぐに距離をとらせるだけでは解決しません。日常生活の中で、同じ空間にいること自体がストレスになるケースもあり、それが続くと問題行動に発展する恐れもあります。吠え続けたり、攻撃的になったりする行動は、相性が悪い犬同士に見られる典型的なサインです。
私たちが「この子なら大丈夫」と思って迎えたとしても、犬同士の関係は時間をかけて見極めなければなりません。仲良くなるには時間がかかる場合もあり、すぐに打ち解けないからといって焦らず対応する必要があります。
そして、重要なのは「慣れるまで放っておけばいい」という考え方は危険だということです。犬の性格によっては、関係が悪化するばかりか、トラウマを残す可能性もあるため、相性を見極める目と、対処するための知識が求められます。
このように考えると、多頭飼いは単なる数の問題ではなく、「関係性の管理」が求められる高度な飼育スタイルとも言えます。相性のリスクを理解し、迎える前に慎重な判断を行うことが、後悔しないための大切な一歩になります。
しつけの難易度アップに直面するケース

多頭飼いでは、1匹目と同じようにしつけができるとは限りません。むしろ、犬が増えることでしつけの難易度は格段に上がると考えるべきです。これは、犬同士の行動が互いに影響し合うためであり、1匹の行動がもう1匹に悪影響を及ぼす可能性があるからです。
例えば、先住犬がすでにトイレや「待て」「おすわり」などの基本指示をマスターしていたとしても、新しく迎えた犬がルールを理解していなければ、トラブルが発生しやすくなります。後輩犬が吠え癖や飛びつきなどの問題行動を起こした際、先住犬がその行動を真似するケースも珍しくありません。これにより、せっかく築き上げた先住犬のしつけが崩れることもあるのです。
さらに、犬それぞれの性格や理解力に差があるため、1匹目と同じ方法でしつけても効果が出ない場合があります。たとえば、おやつで誘導できた犬と、警戒心が強く指示を拒否する犬とでは、必要なアプローチも変わってきます。多頭飼いでは、個々の犬に合わせた柔軟な対応力が求められるのです。
また、複数の犬に同時にしつけを行おうとすると、注意を分散させる必要があり、集中したトレーニングが難しくなります。1匹ずつ個別に教える時間を確保する必要があり、しつけにかかる手間も時間も増えることになります。
このように、多頭飼いはしつけの負担が増すだけでなく、環境づくりや時間配分にも工夫が必要になります。犬を複数飼う場合には、しつけを“倍にする覚悟”ではなく、“状況によってはそれ以上に難しくなる”という意識で臨むことが大切です。
飼い主のメンタル負担が増える可能性

犬の多頭飼いを始めた後に、想像以上の精神的負担を感じる飼い主は少なくありません。愛犬と過ごす時間は癒やしになる一方で、その責任や日々のケアが積み重なると、精神的に疲れてしまうことがあるためです。
多くの場合、1匹目を飼っていたときは楽しく過ごせていたのに、2匹目を迎えた途端、日常に余裕がなくなるという変化が生じます。特に、犬同士がうまくなじめない場合や、後輩犬に問題行動がある場合には、ストレスの原因が増えやすくなります。吠え声が絶えなかったり、喧嘩が頻発したりすると、その都度対応に追われ、気持ちが休まる時間が持てなくなるのです。
また、飼い主の心に負担をかけるもう一つの要因が「愛情のバランス」です。2匹とも平等に愛情を注ぎたいと思っても、実際には先住犬と後輩犬で接し方が異なったり、どちらかに手がかかったりすることで、罪悪感や葛藤を抱えることがあります。さらに、1匹に手がかかり過ぎると、もう一方の犬に十分な時間を割けないというジレンマが生まれます。
こうした状況が続くと、「どうしてもう1匹迎えてしまったのだろう」と後悔の気持ちが芽生えることもあります。犬たちに悪気はないと分かっていても、理想と現実のギャップに苦しむことは珍しくありません。
気づかないうちに自分自身のストレスが溜まっていくため、メンタルの健康管理も重要です。日々の生活に疲れを感じたら、家族や専門家の手を借りることも検討しましょう。無理をせず、誰かに相談するだけでも気持ちが軽くなることがあります。
犬たちのためにも、まずは飼い主自身の心に余裕を持てるかどうかが、多頭飼い成功の鍵を握っています。初めての方は「癒し」だけでなく、「心身への負荷」も念頭に置いて、準備を整えることが大切です。
安易な決断の代償は取り返しがつかない

犬をもう1匹迎えるという判断は、見た目以上に重い責任を伴います。「可愛いから」「寂しそうだから」といった気持ちだけで決断してしまうと、後になって思わぬ苦労や後悔に直面することになります。特に、生活環境や飼い主の時間、経済的余裕を十分に見極めずに2匹目を迎えることは、大きなリスクとなり得ます。
一度迎えた命を手放すことは、犬にとっても人にとっても簡単なことではありません。途中で「無理だった」と感じても、犬は飼い主に依存し、信頼して暮らしているため、後戻りすることはできません。最悪の場合、2匹ともにストレスを抱え、関係性が悪化することで、家庭全体が落ち着かない空間になってしまうこともあるのです。
特に問題となりやすいのが、先住犬との関係性です。新入りの犬が思うように馴染めなかった場合、先住犬の生活にも悪影響が出ることがあります。これにより、もともと上手くいっていた飼い主と先住犬との関係まで崩れてしまう可能性もあるのです。
また、気持ちの面だけでなく、費用や時間などの現実的な負担が倍になることも忘れてはいけません。病院代、フード代、トリミングなど、すべてのコストが増える上に、それぞれの犬に必要な対応も異なるため、管理はより複雑になります。
このように、感情に流されて迎えた結果、問題が起きてから慌てて対処するという流れは、多頭飼いにおける典型的な失敗パターンです。犬にとっても、落ち着かない環境は大きなストレスになります。だからこそ、新たな命を迎える前に、自分の生活環境や心の余裕を客観的に見直すことが何より重要です。
どんなに小さくても、一つの命を受け入れるということは、それ相応の覚悟と準備が必要です。安易な決断は、後からでは取り返しのつかない問題につながることを理解しておきましょう。
犬2匹目で後悔しやすい共通ポイント
- 時間と手間の増加が日常を圧迫する
- 散歩の大変さが想像以上になることも
- 費用負担の拡大に備える必要性
- 旅行・外出の制限が日常化する現実
- 先住犬のストレスに十分な配慮が必要
時間と手間の増加が日常を圧迫する

犬を1匹飼うだけでも、毎日の世話には多くの時間と手間がかかります。これが2匹になると、単純に倍になるどころか、予想以上の労力がかかるケースがほとんどです。特に初めて多頭飼いに挑戦する人にとっては、その変化に大きな負担を感じやすくなります。
まず、基本的なお世話が2倍になることは避けられません。ごはんの準備、トイレの掃除、ブラッシング、シャンプー、散歩など、日々のルーティンは1匹のときと比べて時間がかかります。しかも、2匹が同じペースで動いてくれるわけではないため、スケジュール通りに進まない日も多くなります。
例えば、片方の犬が体調を崩した場合には、もう一方の世話もこなさなければならず、時間的にも精神的にも大きな負担となります。さらに、1匹が落ち着いていても、もう1匹が興奮しやすかったり、問題行動を起こしやすいタイプであれば、その対応に追われる時間も増えます。
散歩に関しても同様です。犬同士の歩調が合わなかったり、片方が他の犬に反応して吠えるなどの行動を取る場合、2匹同時に散歩をするのは簡単ではありません。そのため、別々に連れて行く必要が生じることもあり、1回で済んでいた散歩が2倍の時間になることもあるのです。
また、しつけやトレーニングの時間も2倍以上に必要になります。性格の違いや学習スピードの差があるため、同じ方法で教えるわけにはいきません。個別に向き合う時間を作らなければ、どちらの犬にも十分な教育が行き届かず、かえって問題行動が増えることになります。
このように、多頭飼いは飼い主の日常に大きな影響を及ぼします。仕事や家事、育児との両立をしている方にとっては、時間のやりくりが非常に難しくなることもあります。犬を愛する気持ちがあっても、それに見合う時間と手間を確保できなければ、犬たちにとっても理想的な生活は実現しにくくなります。
日々の生活に余裕があるかどうか、多頭飼いに対応できる時間的な見通しが立っているかを確認することが、後悔のない選択につながります。何よりも、自分のライフスタイルと犬の幸せが両立できるかどうかを見極めることが大切です。
散歩の大変さが想像以上になることも

多頭飼いにおいて軽視されがちなのが「散歩の難易度」です。1匹のときはスムーズに歩いてくれた犬でも、2匹になると予想外の問題が起こることがあります。「一緒に散歩できれば効率的」と考えていても、実際にはそう簡単にはいかない場合が多いのです。
まず、犬同士の歩くスピードや性格が異なると、歩調が合わないという問題が出てきます。片方が元気よく引っ張るタイプで、もう一方がのんびりタイプの場合、リードが絡まったり、進み方に偏りが出たりしてしまいます。こうしたアンバランスな動きは、飼い主の体力だけでなく注意力も必要とするため、散歩の時間が非常に疲れるものになりやすいです。
また、どちらかの犬が他の犬や人に対して敏感に反応する場合は、さらに大きな問題になります。1匹が吠え始めると、もう1匹もつられて興奮してしまい、制御が難しくなることがあります。特に体力のある犬種同士や大型犬を複数頭連れている場合には、飼い主が引きずられて転倒するリスクも無視できません。
こうしたリスクを避けるために、犬を別々に散歩させるという方法をとる飼い主もいます。しかし、それはつまり、1日2回だった散歩が4回になるということでもあります。朝の忙しい時間帯や帰宅後の限られた時間で、それぞれに散歩時間を確保するのは、仕事や家庭との両立を考えると容易ではありません。
さらに、散歩時の持ち物や管理も倍になります。うんち袋や水、リードなどのアイテムも2匹分必要となり、準備や後始末の手間も倍増します。散歩中のトラブルも2倍になると考えると、飼い主にはより冷静で柔軟な対応力が求められるようになります。
このように、多頭飼いは日々の散歩というごく基本的な行為すらも、想像以上に複雑で大変なものになる可能性があります。楽しさや愛情と同時に、体力・時間・精神面の負担も現実として受け止める必要があるでしょう。
費用負担の拡大に備える必要性

犬をもう1匹迎えるということは、生活費の負担が確実に増えることを意味します。フード代や医療費はもちろんのこと、トリミング代、保険料、消耗品まで含めると、その費用は単純な「2倍」以上になることも珍しくありません。これに備えずに2匹目を迎えてしまうと、後から「思った以上にお金がかかる」と感じてしまう可能性があります。
特に大きな出費になるのが、医療関連の費用です。定期的なワクチン接種やフィラリア予防薬の購入だけでなく、万が一の病気やケガに備えた通院や手術費用が発生することもあります。2匹いる場合、どちらか一方が病気になれば、その分出費が一気に跳ね上がりますし、タイミングによっては同時に病気になることもあり得ます。
また、犬種によってはトリミングが欠かせない犬も多く、月に1回のカットやシャンプーを継続すると、それだけで年間数万円以上の支出になります。加えて、歯磨きグッズやサプリメント、犬用おもちゃなど、日々の暮らしに必要なものも自然と増えていくため、細かな出費も積み重なります。
保険に関しても、2匹分となると月額費用の負担が増えます。ただし、保険会社によっては「多頭割引」が適用されるプランもあるため、そういった制度を活用することで、多少の費用削減が可能になるケースもあります。とはいえ、それでも全体的な出費は確実に増えるため、事前の資金計画は欠かせません。
さらに、将来的なリスクにも目を向けておく必要があります。例えば、飼い主自身が病気やケガなどで収入が減少した場合、それでも犬たちの生活を守ることができるかを考える必要があります。犬の寿命は平均10年以上あるため、その期間中に経済状況が変化するリスクにも備えておくことが重要です。
このように考えると、2匹目の犬を迎えるという選択には、単なる「癒し」や「かわいさ」以上の経済的責任が伴うことがわかります。可愛いだけでは乗り越えられない現実があるからこそ、長期的な視点での費用シミュレーションを行い、しっかりと備えておくことが後悔しないための第一歩です。
旅行・外出の制限が日常化する現実

犬を複数飼うことは、日常生活の自由度にも大きな影響を与えます。特に旅行や外出の自由が大きく制限されることは、多頭飼いを始めてから気づく人も少なくありません。1匹のときは「家族に預ける」「ペットホテルにお願いする」といった方法で対応できたことでも、2匹以上になると、対応できる施設や預かり先が限られてしまうことがあるのです。
たとえば、ペットホテルによっては「小型犬2匹まで対応可」などの頭数制限があることもあります。さらに、犬同士の相性が悪いと、同じケージで過ごさせることができず、それぞれに個室が必要になるなど、費用面でも負担が増えやすくなります。また、性格が繊細な犬の場合、環境の変化に対して強い不安を感じやすく、預けること自体が困難なケースも出てきます。
外出時にも同様の課題があります。急な用事で長時間家を空ける必要がある場合、1匹であれば短時間の留守番にも対応できることが多いですが、2匹いると状況は変わります。喧嘩をしていないか、どちらかが体調を崩していないかなど、気になることが増え、外出先でも心から安心できないという声もよく聞かれます。
また、犬同士で遊んでくれるから留守番も楽になると思われがちですが、実際には逆のパターンも多く見られます。遊びの延長で家具を壊したり、誤飲事故が起きたりするリスクがあるため、目を離す時間が長くなるほど不安がつきまといます。
このように、犬を複数飼うことで生まれる「家を離れにくい生活」は、家族全体のライフスタイルにも影響を与える要素です。旅行や帰省、急な外出を想定して、事前に預け先を確保しておく、または在宅ワークや柔軟な勤務形態を検討するなど、生活全体を見直す準備が必要になります。
つまり、多頭飼いは「生活に縛りが増える」という側面を持っているということです。この点を見落としてしまうと、後々「こんなはずじゃなかった」と感じてしまう可能性があるため、慎重な検討が求められます。
先住犬のストレスに十分な配慮が必要

新しく犬を迎えるときに最も忘れてはならないのが、「先住犬の心のケア」です。犬は非常に繊細な動物であり、環境の変化や人間の態度の微妙な違いを鋭く察知します。そんな中で、突然新しい犬がやってきたとしたら、先住犬にとっては大きなストレスになることがあります。
特に問題になりやすいのが、飼い主の注意が新入り犬に偏ってしまうことです。人間にとっては「2匹とも大切にしている」というつもりでも、行動の優先順位や接し方の変化によって、先住犬が「自分はもう愛されていないのでは」と感じることがあります。その不安が続くと、無気力になったり、食欲が落ちたりするなど、体調にも悪影響が出ることがあります。
また、先住犬が高齢だった場合は、さらに慎重な対応が求められます。若い後輩犬のエネルギーや遊びの要求に付き合うのは大きな負担になりやすく、静かに過ごしていた日常が乱れることで、心身ともに疲弊してしまうことがあるからです。寝ているところを何度も起こされたり、自分のテリトリーを侵されると、攻撃的になるケースも見られます。
このような事態を防ぐためには、迎え入れの準備段階から配慮が必要です。たとえば、新しい犬を迎える前に、空のケージや食器などを用意して、少しずつ「変化が起きそうだ」と先住犬に気づかせることで、ショックを和らげることができます。また、生活空間を一時的に分けることで、先住犬が安心できる場所を確保しておくことも有効です。
さらに、新入り犬が家に来た後も、日常のあらゆる場面で「先住犬を優先する」という姿勢を貫くことが大切です。ごはん、散歩、声かけ、遊びなど、すべての行動で先住犬が“上の存在”であることを示すことで、犬同士の序列が安定し、無用な対立を避けやすくなります。
ストレスをゼロにすることは難しいですが、飼い主の細やかな気遣いで、その負担を最小限に抑えることは可能です。先住犬の気持ちを第一に考えながら、新たな家族を迎える準備を進めることが、スムーズな多頭飼いへの第一歩になります。
犬2匹目で後悔しないために知るべき15の現実
- 理想と現実の多頭飼いには大きなギャップがある
- 犬同士が必ず仲良くなるとは限らない
- 相性が悪い場合はストレスや問題行動が起きやすい
- 飼い主の配慮がないと関係性は悪化する可能性がある
- 多頭飼いはしつけが格段に難しくなる
- 問題行動が連鎖しやすく管理が複雑になる
- 犬ごとにしつけ方法を変える必要がある
- 愛情配分に悩み飼い主の心が不安定になりやすい
- 時間と手間が倍以上に増え日常が圧迫される
- 散歩は犬同士の歩調や性格で難易度が上がる
- 外出や旅行の自由が大きく制限される
- 預け先やペットホテルの確保が困難になることもある
- 医療費や生活用品の出費が予想以上に増える
- 家計や将来の収支に備えた計画が必要になる
- 先住犬の心身のケアを最優先にする必要がある